主催のJOMF(海外法人医療基金)様からのお誘いで、海外医療情報交換会に出席させていただきました。
場所は神保町にある学士会館。重厚な作りの趣ある建物でした。
プログラムは、マニラ、ジャカルタ、シンガポール、カンボジアで医師として活動されている先生方の講演と、渡航医学といえばこの方!の濱田篤郎先生でした。
トピックは主にデング熱とエボラ熱(出血は必ずしもしないらしいです)、インフルエンザについてでしたが、中でもシンガポール日本人クリニックで心療内科を担当されている日暮真由美先生のお話はメンタル中心だったので、現場の声として参考になりました。感染症も不安傷害や心気症を引き起こすそうです。やはり、海外は危険がたくさんですね・・・だからこそ、事前知識と、いざという時の冷静な対応が大切です。
カンボジアでクリニックを経営されている奥澤先生のお話(ボイスメッセージでしたが)もじつに興味深く、あらためて「海外で暮らす」ことについて考えさせられました。カンボジアではポルポト政権下で医師などの知識人はほとんど虐殺されたため、あらゆる分野での立ち後れが未だ深刻で、国民すら自国に医療を信用していないそうです。
そういう中でも、海外赴任者は暮らしていかなければなりません。
単に、自分だけ、家族だけ、会社だけの問題ではなく、日本という国で守っていかねばならないと思います。そんな中、濱田先生が厚生労働省で渡航医療についての勉強会に呼ばれたとのお話で、先生が発言されていくことで、赴任者をめぐる医療事情が良くなる方向を祈ります。
懇親会も美味しいお料理とお酒と歓談であっという間に時間が過ぎ、とても充実した時間でした。気がつけば2時半から始まり、出たのは7時半。5時間も経っていました。私にとっては長い時間ですが、日頃、長時間のオペや診療に従事されている先生方にとっては、長いといえるほどの長さではないようで、皆様とにかくお元気に見えました。
素晴らしい会にお誘いくださったJOMFの安保様、澤田様に心から感謝致します。