グアムでの現地での生活体験の中に、観光も入れていただきました。
駐在員とその家族は、日本からの出張者や訪問者をアテンドすることがよくあります。 そのアテンドを体験させていただくためです。
島内は3時間あれば一周できる距離です。 道路事情に関しては、道の舗装は決していいとはいえないものの、
運転が全体にのんびりしていて、運転の苦手なMさんもストレスなく車ライフを楽しんでいます。
楽しむ、というより、生活の手段としてなくてはならないものなのですが。 ハワイより質感がやや日本に近い、潮の香りの強い美しい海は、グアムの財産です。 シュノーケリングや海岸散歩も、観光ではなく日常に楽しめるのがうらやましく思いました。
とはいえ、日常となると、なかなか海に行くことはないそうです。 それが暮らしというものだ、と思いました。
衝撃だったのは、戦争記念館でした。 第一次、第二次世界大戦を、「勝者としての」アメリカの側からの視点で見ると、
こうも「敗者」の日本側とは異なるのだということを痛感しました。
歴史認識を明確に持たないと、現地の人、外国の人と対等に話をすることはできないと思いました。
朝市に行き、現地の人の暮らしぶりも垣間見ました。 現地のチャモロ人の微笑ましいのんびりぶりも、
観光者なら新鮮で見ていましたが、 Mさんによると、普段はのんびりしすぎて、イライラするそうです。
駐在は、「旅」ではなく「暮らし」。その視点を共有することが私の勤めだと痛感しました。
駐在していれば、日本からのお客さんを何度も案内することになります。
お客さんにとっては初めてでも、何度もつれてくる駐在員とその家族は、飽きてしまいます。
自分たちのせいではないのに、「何もないところで・・・」となぜか謙遜したり・・・
自信過剰になることなく、かといって自信喪失することなく、 あるがままを淡々と一生懸命生きる、ということが
海外生活では案外難しいものです。 海外で暮らすということは、精神的なポジションを日本と現地の「中間」に
置くことになります。 それは不安定さを伴います。 だからこそ、自分軸を持つことが重要だと思います。
初めからブレない軸は持てません。 揺れてもまたまっすぐ立ち上がり、倒れてもまたまっすぐ立ち上がり、の繰り返しです。
自分を信じて行動し続けるしかありません。 「信念」を持つ。言い古された言葉かもしれませんが、
もっとも重要なことだと思います。
駐在員とそのご家族にわかっていただきたいこと、それは 「あなたたちの存在は素晴らしい。 外貨を獲得し、日本人の素晴らしさをシェアし、 日本人にその国jの文化を広めている」 ということ。
素晴らしい外交です。 私は、素晴らしい民間外交官であるH夫妻を誇りに思いました。 知人として、そして日本人として。