「私が歯科医を辞めた理由」
〜その1〜
今日はこの数回の本題についてお話しして行きたいと思います。
勤務先の関連病院の部門閉鎖に伴い、
私は進路の選択に立たされました。
これから歯科医として、
社会人として、また、1人の人間として、
どんな道を歩むべきか?
関連病院に勤めて10年くらい経過した時に父が腫瘍を患いました。
良性の腫瘍との事でしたが、結果は思わしくなく、
5年に渡り闘病生活を続けました。
父の闘病生活の際は、検診センターに勤めつつ、
週末の3日間を歯科医院の経営する事になりました。
父の戦いは残念な結果に終わりに、天に召されました。
そして、患者さんの区切りや行き先が決まるまで、
父の死後も歯科医院を受け継ぐ形で開業医も10年ほどやっておりました。
このような理由もあり、
開業医の一般臨床の現状、問題点も分っておりました。
そこで、大学に戻って教職の道を選ぶか、開業して再度、一般臨床を行うか?
または、その他の道を選択するか?
約半年に渡って考え続けました。
また、その際に、
私がなぜ、歯科医になったのか?
これから開業医をすべきなのか?
開業医になって何が出来るのか?
その結果、社会に何が提供できるのか? など…
突き詰めると、
私の生まれてきた意味、
私の存在している理由、
そして、生きている使命
などについて、とことん考える機会になりました。
そして、諸々のことを考え続けました。
私は、
歯科大学、大学院、
大学付属病院、関連病院、
検診センター、開業医
ドイツでの臨床と研究、
などの経験がありましたので、
それぞれを通して感じた事、医療の疑問点についても
一緒に考えてみました。
かなり深く掘り下げて考える時期が続きました。
通常の歯科医では経験できない程、
多岐に渡って医療、歯科臨床に触れる機会に恵まれたので、
現状の日本の歯科医療の問題点も考えてみました。
そうしているうちに、
自分でもやもやとした事がしだいに明確になってきました。
なぜ、真面目にやっている先生ほど経済的に良くないのだろう…?
なぜ、治療が限定的で、より良い治療が認められないのだろう…?
なぜ、不安に思ったり、困っている患者さんが少なくないのだろう…?
なぜ、優秀な学生たちが卒後、学ぶ場に困ったり、職がない現象が起こるのだろう…?
なぜ、ドクターショッピングなんていう現象なんて起きているのだろう…?
私は過去、約25年に渡って40万人ほどの検診者、患者さんに携わってきたことから、
考えているうちに現在の歯科事情の問題点が浮き彫りになってきました。
そして得た答えとは…